本校27期卒業生の土橋晋也さんが、2021年8月5日~8日にかけて札幌で開催された東京五輪男女競歩・マラソンの大会ドクターを務めました。土橋さんは、自身も高校時代に陸上競技部に所属。北海道大学医学部に進学後もマラソンを続け、現在も同大学病院整形外科の医師として活躍する傍ら、マラソンを続けています。
今大会は、テロ対策、コロナ対策による厳戒態勢の中で開催されました。支給は、わずかな交通費と昼食のみです。1日8時間、レース中の選手対応はもちろん、会場の準備や片付けにも関わったそうです。ドクターとして参加し、オリンピックが、自分も含め、多くのボランティアの協力によって成り立っていることを再認識できたといいます。
大きな収穫もありました。
「マラソンランナーとして、トップ選手の練習を間近で見られた経験は大きい。こんなチャンスを手にできたのも、自分が走り続けていたから。たとえ趣味でも、一つのことを辛抱強く続けていれば、思わぬ縁やチャンスが回ってくるのだなと思いました」
今でも文理で学んだ日々が自分の支えだと土橋さんは語ります。
「陸上競技部時代、まったく芽の出なかった自分を粘り強く指導してくれた顧問の先生。いつも笑顔で励ましてくれた担任の先生。文理の先生たちは、意志ある行動に理解を示してくれる。そして強い意志を持ち続けられれば、将来何かチャンスが開けるのかもしれません」
今後も仕事の合間にマラソンの練習を続け、「いつか大きな成果を出すつもり」と力強く語る土橋さんから、運動部の皆さんにメッセージが届いています。
「今、運動部に所属している皆さんの中には、なかなか興味のある大学や学部を見つけられず、ただ受験して進学しようと考えている人、いるのではないでしょうか。それなら、医師(スポーツドクター)を目指してください。優秀な医師は沢山いますが、スポーツ選手の気持ちに寄り添える医師は限られています。スポーツ選手の気持ちが分かるのは、まさに皆さんです。医学部に挑戦するのは勇気がいると思います。失敗したら浪人ですもんね。私は2年浪人しました。浪人時代は、自ら友達のいない環境に身を置き、自分と向き合い、逃げ場のない状況で勉強に向き合いました。その結果、医学部に合格できました。今のスポーツ界には、選手に寄り添う医師が必要です。皆さんの今後の勇気ある進路選択を、陰ながら応援しています。」
土橋さんの今後のご活躍を心よりお祈りします。